あの頃思い描いた自分に、なれなくっても。
30年会社勤めをしている野村伸一は、上司に評価されず
いまだに係長。
はっきりと「会社には要らない人間だ」とまで罵られ悶々としている
矢先、妻の不倫、そして娘二人の非行の事実を知ってしまう。
呆然とする野村は、ふいに“働きアリの法則”を思い出す。
働きアリの集団は、20%のよく働くアリと、60%の普通のアリと、
そして20%の怠け者のアリで構成されているという。
普通のアリだけのグループにを作っても、その中でまた同じように
自覚的な働くアリと怠け者のアリが出現し、比率は延々変わらないのだとか。
“自覚するアリ”になろうと、会社に辞表を出し、妻に別れを告げた
彼の前に、自らを「神様」と名乗る美女が現れ…!?
男の絶望と再起を描く表題作「人生再星の詩」と、
父の死後、かつての父の恋人と共に“父の隠し預金”を
探すことになる男の物語「星の絆」の2編を収録!
どちらも、「あの頃思い描いた未来」とは違う今を生きる
男の物語です。
人生の道の途中、立ち止まり、自分の足跡を振り返る…
そんな時にそっと背中を押してくれる“恋”が描かれています。