ミラノ、フィレンツェ、ナポリ。中世最強の同盟、崩壊――。
豊かな国土、キリスト教の聖都、芸術のルネッサンス。
あまりに恵まれ過ぎたが故、中世イタリアは狙われ、分裂した。
チェーザレ・ボルジア、17歳。若き情熱が世界を変える。
今から520年前の歴史の大転換期、1492年。中世が終わり、近代が幕を開けた。イタリア半島を中心とした西欧世界は列強の思惑が渦巻く戦国時代。西欧を統べる二大権力、皇帝と教皇。それぞれの玉座を巡り国王、貴族、そして聖職者が争う中、チェーザレの父ロドリーゴ・ボルジアは死期が迫る教皇の跡を狙っていた。