チェーザレ・ボルジア 没後500周年。男は中世を破壊した。
中世西欧。権力が欲望と恐怖を煽りたて、世界を戦争へと導いていた。今再び、世界は同じ過ちを繰り返そうとしているのか?閉塞する世界へ鳴らす500年前の英雄からの警鐘。理想の君主チェーザレ、再生(リナシメント)。
「ヨーロッパ人とは何だ?同じ大陸にいながらカタロニア人 バルバロイ……我々をそう呼び 蔑んできた民族のことか?」
「ふん くだらん選民意識だな」
ローマで兄を想う、チェーザレ最愛の妹・ルクレツィア。一方ピサでは工場建設を邪魔する者が。チェーザレに仇なすものが迫る中、大司教邸で因縁の晩餐会が始まる――。
解説:佐々木毅 学習院大学教授・前東京大学総長。
「マキァヴェッリとチェーザレ・ボルジア」収録。