◎なぜ過疎の町が世界の憧れの的となったのか?
◎「どこに行っても同じ風景」にならないために、イタリアの小さな町が取り組んできたこと。
【内容紹介】
日本を覆っていく閉塞感の一つに、私は、生活空間の均質化というものがあるように思う。郊外型の巨大なショッピングモール、世界中同じような映画ばかり上映するシネコン、画一的な住宅街、駅前や国道沿いに並ぶチェーン店……。だが、私たちにこの世界の均一化から逃れるすべがあるのだろうか。世界のどこにもない個性的な町など、おとぎ話に過ぎないのか。
そんなことを自問しながら、私はイタリアの小さな町を訪ねた。スローシティやイタリアの美しい村連合に共鳴した小さな町、ショッピングモールの締め出しに成功した町、モーダの王者が創り上げた大農場やオーガニックの父と呼ばれた人物の住む村――。
グローバル社会の中で、人が幸福に暮らす場とは何かということを問い続け、町のアイデンティティをかけて戦う彼らの挑戦に、その答えを探る。