☆進学、就職活動、婚活(カップリング)、そして臓器移植……。世の中には、価格だけでは解決できない「市場」がある。そして、この「市場」において、自分が選ぶだけでなく、自分も相手から選ばれなければ得られないものを、どうやって手に入れるのかを表す経済学の言葉が「マッチング(組み合わせ)」だ。
☆本書の著者、アルビン・ロスはそのマッチング理論の応用分野である「マーケットデザイン」の研究で先進的な成果を挙げ、2012年のノーベル経済学賞を受賞した。本書は、世の中の仕組みを大きく変える理論を、一般読者向けにわかりやすく(数式などは使わず)、そして面白く、研究者自身が解説する話題作。
☆進学希望者と学校、臓器提供者と患者、研修医と病院をどうやって効率的に結びつけるのかなど、さまざまな具体例から私たちの日々の生活には、どんなマッチング市場があり、どうすれば効率的な選択ができるのかを解き明かす。知的な読者の好奇心を強く喚起する1冊だ。