沼、暗闇、夜の森
- 作家名
- さかもと麻乃
キコはいつもひとり。 だけど時折、空を見てフフッと笑い、楽しそうにおしゃべりする。 そう、キコは死人としか話さない。 いや、死人としか話せないのだ。 生きている人間が怖い。それがキコの口癖。 しかしそんなキコにも見るたびに胸が疼く女の子がいる。 …死人がささやく。 その疼きをずっと抱えてるままでいいの? 表題作『沼、暗闇、夜の森』ほか、 不良少女の虜になる潔癖な女教師や 高校生時代の初恋が忘れられない女子大生の執着、 二人の女子高生が紡ぐ 奇妙な絆と葛藤を描いた4編に描き下ろし3編を加えた、 心の淵をえふる渾身の読切短編集。