大月祥馬に妻お妙を奪われた和人シュマリは、東京と改名されたばかりの江戸から北海道へ渡ってきた。アイヌの族長から狐を意味するアイヌ語のシュマリという名前を与えられ、過去と決別してシュマリは北海道の原野をさまよい続ける。ひょんなことから、五稜郭の戦いで隠された黄金3万両の隠し場所を知ったシュマリは、太財一族から土地を買い受け開拓を始める。北海道王国を築こうとする父の意思を受け継ぐ太財弥七は、黄金のありかを聞き出すべく、妹お峰をシュマリの許にさしむける。一冬を過ごすうちに、すっかり妻となってしまったお峰だったが、自分がシュマリの以前の妻お妙と瓜二つであることを知る。自分は身代わりであったと憤慨したお峰は、シュマリを開拓使に売る。