『ナムジ』の世界以降、邪馬台国は依然日向の地にあり、なお壮健さを保つヒミコによって統治されている。南方の球磨族・曽於族(熊襲)との勢力争いは微妙な状況にある。大和は齢を重ね病に苦しむオオドシ(=大物主、ニギハヤヒ)が統治している。
ナムジ(=大国主)とタギリの間に生まれたツノミは両親・弟妹とともに沖ノ島で成長するが、タケミカヅチ率いる邪馬台国軍の侵略を受け、ナムジは死んでしまう。一家は末弟ツヌヒコ(=事代主)を正当後継者とすべく出雲へ連行されるが、いさかいを起こしがちなツノミは命を狙われたため、オオドシの誘いにより大和へと逃れる。
長じてツノミはオオドシのために働くが、やがて日向邪馬台国へと向かい、イワレヒコ(神武天皇)に仕えることになる。一方で祖母であり父の敵とも言えるヒミコと出会い、邪馬台国に打ち勝とうとする気持ちが芽生える。ツノミは出雲、大和、日向を渡り歩き、それとともに神武東征への流れが生み出されていく。