『地球を呑む』(1968-1969年)に続いて、青年コミック誌「ビッグコミック」に連載された作品です。
前作では、長編にするか読み切り形式にするかで迷い、結局、中途半端になってしまったという反省を踏まえて、この作品は最初から、1回1話完結形式の読み切り連載として描かれました。
手塚治虫は当初、タイトルを「I WILL」の意味で「I'L」としたつもりでしたが、予告編に、間違って「I.L」と出てしまったため、思い切って、それをヒロインの名前にし、タイトルも「I.L」に変えてしまいました。
手塚治虫のマンガは、あらかじめ綿密に計算されたプロットが用意されていることが多い一方、それを状況に応じて柔軟に変化させていくライブ感覚も併せ持っています。