昼はパン屋で働き夜学校に通っている北村市郎は、ある夜、奇妙な大勢の人影の行進を目撃する。その人影たちには実態が無い幽霊であった。逃げ出した市郎は雑誌記者の本田と知り合い、目撃体験を語った。次の日、本田は市郎に会いに行く途中で交通事故に遭い死亡してしまう。
やがて死後の世界から本田が市郎を通して死後の世界の情報を伝えてくる。人は死んだら霊魂のみの存在として死後の世界に行き、死後の世界で死ぬと、記憶を失い赤ん坊となって現実の世界に産まれてくる。死後の世界では、世界が三つに別れ、三つ巴の戦争を繰り広げていた。昨今のベビーブームは死後の世界の戦争で大勢の霊魂が死んでいるためである。また、死後の世界では戦力不足を補うため、現実世界で飛行機事故などを起こし、死んだ霊魂を訓練し死後の世界の戦場に送り込んでいた。市郎が見た人影の行進も、戦場に向かう霊魂たちだったのだ。