神話の時代に存在した、この世のはじまりを写しとった一冊の「本」。『書』=トゥ・モンドと呼ばれたそれは破壊と豊穣をつかさどる強大な力を秘めており、ゆえにバラバラにされ、世界のあらゆる書物の中に隠され、散り散りとなった…
創世以来、「教団アセファル」によって守られ隠されてきた「人類最古の本」。2063年という近未来に、仮想電子図書空間=ビブリオテックにて再集合・再構築され、再び完全な形で人類の前に現れる。『書』がもたらすのは進化への福音か? 破滅へのカウントダウンか…?
ビブリオテックで働く若き技術者オレッセンは、『書』の復活に人生を捧げた父に近づこうと、ビブリオテックの深層へアタックする。そこで彼が目撃することになる、父と『書』の本当の関係、そしてその奥に潜むものとは――
一方、ビブリオテックでは「ドラッグ・ブック」と呼ばれる本がブームになっていた。著者不明の謎のベストセラーを読み解こうとユーザーの熱狂が高まる中、「ある出来事」が勃発する。それはユーロ・パリだけでなく、世界中に激震を与え…!