この世とあの世の境には、八百万の神々や彼らに仕える死霊たる神器、妖と呼ばれる魑魅魍魎が棲まい、人の世に係わっている。いたいけな女子中学生・壱岐ひよりが道ばたで出会ったのは、住所不定無職・自称「神」なジャージのひと。ガサツで気分屋でヘタレ、ろくに祈願も聞いてくれないが、誰も知る人のないこの神様、一つだけ能があった。此岸と彼岸とその狭間――世の有象無象すべてを、ぶった斬ること!!
「守りたいから、残酷になる。」何かのために何かを抛ち、誰かのために誰かを切り捨てる──。高天原を揺るがす擾乱の勃発に、神も、神器も、人も、等しく選択の庭へ引きずり出されようとしていた。急転の[ご町内神話]毘沙門天
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