1983年5月26日――。秋田県の地元新聞社「さきがけ」(同名の新聞社が実在する)の記者・杉村真は、海釣りの最中に地震を感じるが、日本海側では津波は起きないと思い、岩場で釣りを続けようとした。しかし突然襲ってきた津波に飲まれて陸へ押しやられる。偶然牧場の柵に掴まることができたため、引き波で沖に流されずに済んだ。その後杉村は、マグニチュード7.7を記録したこの「日本海中部地震」による秋田県内の被災状況を見て回るうちに、十数名の釣り人が津波の犠牲になったと知る。杉村は、県内を回って津波を経験した人々に会い、体験談を聞き取っていく。