デスメタル界の帝王と称されるインディーズ・メタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」のボーカル・ギターの“ヨハネ・クラウザーII世”。しかし、その実態はおしゃれなポップ・ミュージックを愛する平凡で弱気な音楽青年・根岸崇一であった。この両者の間のギャップと根岸の苦悩がもたらす笑いを主軸とするギャグ漫画である。
キッスや聖飢魔IIを彷彿とさせる「白塗り」「自称悪魔」など、ヘヴィメタルに対して日本の一般大衆が抱くパブリックイメージを最大限に利用し、このキャラクター像と一般社会とのギャップを強調することで笑いを生み出し、人気を博した。2008年には、実写映画化された。
しかし、性的な表現を絶叫するなど従来からのヘヴィメタルへの誤解を更に助長させるような描写が多く含まれており、「BURRN!」など従前よりのメタル支持者たちはこの漫画に対して否定的であった。原作者である若杉は、いわゆるHR/HMやデスメタルなどはあまり聴かず、詳しくない。『フラッシュEX』のインタビューで「自分がデスメタル愛好家なら、このようなギャグマンガとして取り上げはしなかっただろう」と言う趣旨のコメントをしている。ちなみに、カヒミ・カリィのファン。
「このマンガがすごい!2007」(宝島社)オトコ編1位。「このマンガを読め!2007」(フリースタイル)1位。