(「まえがき」より)
ウォール・ストリートに偉大な投資家として名を残すジェシー・リバモアは、
次のように語っています。
「株価パターンは、①重要な株価の動きは過去の似た株価の動きの繰り返しに過ぎないこと、②過去の動きにはできるだけ早くなじむこと――を教えてくれる。過去のパターンを知れば、株価の次の動きを正確につかんで儲かるように予想し行動をとれるだろう」
株価パターンを中心にしたテクニカル分析の中で、すでに古典的でありながら、抜群の威力を発揮するのが「移動平均線」を使った分析です。株価チャート上でローソク足の動き、連なりをいたずらに見ても、全体の流れをつかむことは難しいようです。しかし、株価が変動するジグザグのブレをなくし滑らかな曲線を描き出せれば、株価の動向、つまり方向性がわかるのではないか、という必要性から考案されたのが「移動平均線」です。
本書では、まず「移動平均線とは何か」「移動平均線で何がわかるのか」といった超基本的なことを学び、次に「移動平均線と他の要素、出来高や株価との関係」を理解します。もっとも大事なのは、移動平均という概念から生まれた「グランビルの法則」の完全理解です。この法則の8つの売買ポイントを把握できるようになれば、それは生涯にわたってトレーダーの武器となるに違いありません。
さらに本書では、基本を踏まえた上で、様々な威力あるワザを身につけることができます。これらのワザは、私が主宰する株研究会「積乱雲」における議論やバックテストの結果、分析法や発想を得たものも多く、実戦に裏づけられた強力なテクニックですから、極端に言えば、「移動平均線」分析だけでテクニカル派は常勝組に入れるでしょう。仮にファンダメンタルズ分析で有望な銘柄を見つけたとしても、移動平均線分析の結果NOの判定であれば、YESになるまで待つことで、私たちはもはや軽はずみな売買をしなくなくなります。本書では、そのための様々な工夫や配慮をしてあります。
投資家にとって「満足度99%」の信頼できる内容へのグレード・アップを目指す私に協力してくださった積乱雲会員の皆さんにお礼を申し上げます。サメがうようよ泳ぐ厳しい相場の世界で生き残るための武器として、ぜひ本書をお役立てください。
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