ペストが猛威を振るう14世紀フィレンツェ。郊外に逃れた男女10人がおもしろおかしい話で迫りくる死の影を追い払おうと、10日のあいだ交互に語りあう100の物語。不滅の大古典、新訳決定版。
世界文学の金字塔!
待望の新訳決定版、ついに完成!
いま、清新なルネサンスの息吹が甦る!
ペストが猖獗を極めた十四世紀イタリア。恐怖が蔓延するフィレンツェから郊外に逃れた若い男女十人が、おもしろおかしい話で迫りくる死の影を追い払おうと、十日のあいだ交互に語りあう百の物語。人生の諸相、男女の悲喜劇を大らかに描く物語文学の最高傑作が、典雅かつ軽やかな名訳で、いまふたたび躍動する。挿画訳60点収録。
生命の危機を背景にしながら、ボッカッチョのこの物語はなんという生命力の横溢であろう。死の恐れが背景にあるからそれで逆に生の礼讃もまたあり得たということであろうか。しかし死の舞踏の足音は遠く近くで響いてはいるけれども、この作品はニヒリスティックな生の饗宴ではなく、ましてや性の狂宴ではない。作中の淑女貴公子は実にのびのびとしている。彼らの生と性の肯定は健康で明るく、時にはおっとりとしている。背景をなすトスカーナの空はなんという青さであろう。なんという天真爛漫であろう。(訳者解説より)
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