山奥の祠は、ちび狐・陽と狐神・琥珀のささやかな住まい。人々の信仰を失い妖力が衰退していた琥珀は、そこで人との関わりを避け、ひっそりと暮らしていた。ところがある日、大怪我を負った琥珀は、人間の医師・涼聖に助けられる。むやみに人前に姿を現してはならぬという掟ゆえに涼聖を拒む琥珀だったが、彼の誠実な優しさと、なにより陽の懐き具合に、無意識に凝っていた孤独が少しずつ解けていくのを感じる。三人で過ごす日々は穏やかで、ふと幸せを感じてしまう琥珀。だが、このままではいけないと思い始めた時、発情期が来てしまい―!?