インドのカルカッタからポルトガルのロカ岬まで、ユーラシア大陸を単独バイクで横断する――。19歳の”私”は、大学の学費を費やして行ったタイ旅行でどこからともなくそんな啓示を受ける。
享楽の都アムステルダムを出た”私”は、目前に迫った旅の終着点ポルトガルのリスボンに向けて、愛車XL250Rパリダカのアクセルを絞る。しかしその胸中にはこのまま旅を終わらせてしまうにあたっての奇妙な不完全燃焼を抱えていた。
――果たしてこのままリスボンをゴールにしてしまってよいものなのだろうか――。その問いに答えを見出せないままたどり着いた約束の地で、”私”はその後の旅を大きく変える出会いを果たすことになる――。遂にユーラシア大陸最西端へとたどり着く第5巻。