▼第70話/目的▼第71話/嫌悪▼第72話/追跡▼第73話/現状▼第74話/生存▼第75話/別れ▼第76話/決意▼第77話/待機▼第78話/取材▼第79話/存在●主な登場人物/仙崎大輔(福岡海上保安部に所属する新米海上保安官。PLH型巡視船“かいこう”の航海士補)、池澤真樹(大輔の先輩。大輔と共に、かいこうの航海士となるが…)、浦部美晴(毎朝新聞の新米記者。大輔の恋人)
●あらすじ/巡視船“ながれ”から、“かいこう”への転任を命じられた大輔と池澤。この“かいこう”は全国で11隻しかない救難強化巡視船だ。2人は高度な技術を要する海難に対応するため“かいこう”の潜水メンバーに加えられた。日々繰り返される厳しい訓練。だがそれは、総合警備事案(ヘリからの一斉威嚇射撃実施の中、洋上のピットへの降下を繰り返す)、逮捕術訓練、不審船捕捉訓練など、いずれも通常の訓練メニューとはかけ離れたものだった。そのうえ、訓練には特警隊(特殊警備隊=保安庁所属の対テロ特殊部隊)の3人も参加している。大輔と池澤がそんな状況に不安を覚えるなか、山田船長から「シンガポールへ向け、3週間の航海に出る」という発表があった。出向目的は「シンガポール、インドネシア両国との合同油防除訓練、及び、マラッカ海峡における船舶の監視とヘリによる視察」。簡単に言えば、マラッカ海峡に多発する海賊の退治が、彼らに託された任務だったのだ(第70話)。●本巻の特徴/マラッカ・シンガポール海峡は、日本にとって最も重要なオイルロード。だがそこには、海賊行為が頻発していた。毎年200件以上の被害が報告されているが、実際の数はその数倍に上るものと思われる。マシンガンを乱射し、シージャックをする、完全なるテロ集団。それが現代の海賊だ。しかも日本の船は、法律により武器の所持を禁じられているため、海賊たちには恰好の餌食となってしまう。今回大輔たちが対峙するのも、そんな凶悪な海賊たちだ。これまで命を救う側だった大輔が、相手は悪党とはいえ、命を奪う側になる。その葛藤の中で繰り広げられる、海賊たちとの攻防が描かれた緊迫の第8集。●その他の登場人物/山田(かいこうの船長)、酒井直人(かいこうの主任飛行士)、相原治(かいこうの潜水員。この船に乗って3年目になる)