ナニワ金融廃業で無職になった灰原
再就職先はダムの建設現場……!?
「大阪の街金を復活するには政治との連携しかない」との思いを強めていた灰原は、大阪市長・橋舌透(はしした・とおる)に直談判。
法改正に向けて下準備を進めていたが、大局的な変化よりも目先の利益を重視するヤミ金業者・仙石の裏切りに合い頓挫。
裏金疑惑のスキャンダルに巻き込まれた橋舌の怒りを買い、その怒りが帝国金融に飛び火することを恐れた桑田と金畑社長はナニワ金融を畳むことを決意する。
一転して無職になってしまった灰原は再就職活動を始めるが、零細金融に勤めていた三十路男に対する世間の目は冷たく、まともな会社は取り合ってくれない。
愛する妻子を養うために背に腹はかえられぬと、山奥のダム建設現場に住みこみで働くことを選択する。
金融屋としての知識も経験も生かせぬ職場で、慣れない肉体労働に従事する灰原。様々な理由でこの仕事を選択した同僚たちと触れあううちに、
「金融マンとして上ばかり見てきた自分が、足元をおろそかにしていた」ことに気付くのであった。