北朝鮮による日本人拉致で失踪した地村保志さんの生存を信じて、24年間待ち続けた父親・保さんの執念と行動力を綴ったドキュメンタリー。北陸の町で暮らしていた家族4人の平凡な生活が、ある日、突然破壊した。息子保志の失踪後間もなく、母親は心痛のあまり倒れてしまう。父親の地村保は、妻の介護に明け暮れながらも仕事を続け、同時に息子の消息と救出を求めて、思いつく限りの行動をとってきた。一徹な父親のあくなき執念、それは24年間にも及ぶ、壮絶な闘いの日々でもあった。
はじめに
プロローグ
第1章 失踪
第2章 家族
第3章 結束
第4章 明暗
第5章 帰還
第6章 決意
エピローグ
おわりに
【地村保】1927年、福井県に生まれる。1939年、尋常高等小学校卒業と同時に、京都で大工修行に入る。農繁期には小浜に戻り、農業に従事。戦時中は敦賀で農業要員として働く一方、東洋紡績に籍を置きながら、軍需品の生産に励む。戦後は特定の会社に所属することなく、大工として身を立てる。1986年、「地村建築」を設立。1997年、「『北朝鮮による拉致』被害者家族連絡会」結成を機に、会社を閉鎖。現在に至っている。【岩切裕】1946年、宮崎県に生まれる。1969年、日本大学芸術学部美術学科卒業。アートディレクターとして東芝、ミサワホームなどの企業広告、商品カタログの企画・制作にたずさわる。IBMニューヨーク本社のグラフィック・アートを手がける。1980年、日本紹介の英文誌『TOP SHOPPING IN JAPAN』(V.I.P社刊)を企画・制作。1986年、高知市市制100年記念誌の制作、各種ブックカバーのデザインにかかわる一方、温泉グルメなどのエッセイも執筆。