平成版『蟹工船』!メモ魔の刑事、再臨場!
警視庁捜査一課継続捜査担当の田川信一は、身元不明のままとなっている死者のリストから殺人事件の痕跡を発見する。自殺に見せかけて都内竹の塚の団地で殺害されたのは沖縄県出身の派遣労働者・仲野定文だった。仲野は福岡の高専を優秀な成績で卒業しながら派遣労働者となり、日本中を転々としていた。田川は、仲野が非正規雇用労働者として勤務していた三重県亀山市、岐阜県美濃加茂市を訪れる。そこで田川が目にしたのは国際社会に取り残され、島国で独自の進化を遂げる国内産業の憂うべく実態だった。
仲野殺害の実行犯を追いながら、田川はコスト削減に走り非正規の人材を部品扱いする大企業、人材派遣会社の欺瞞に切り込んでいく。