「第3の性への誘惑」は性転のへきれきシリーズの9作目の長編小説(約11万字)です。
第3の性とは何かご存知ですか?男性・女性と並ぶ、もう一つの性です。社会の習慣として第3の性が認知されている国が存在します。その代表がインドです。
インドにはヒジュラ(HIJRA)という第3の性が存在し、その人口は数十万人から(多い推計では)百数十万人と言われています。インドの人口の0.1%に足りるか足りないかという数ですから勿論少数派ではあります。
「第3の性への誘惑」は若い日本人ビジネスマンがインド出張中に、ふとしたことからヒジュラの世界に足を踏み込んでしまうという物語です。ヒジュラの社会は、合理的で強固なヒエラルキーの元で、様々なルールや儀式によって成り立っています。
「第3の性への誘惑」はそのような社会の構造や儀式(とりわけ無麻酔のトランス状態で男性を捨てる儀式)に当事者として踏み込む意欲的な試みの小説で、取材・調査に長時間を費やした作品です。