『これで読破! 平家物語』は、『これで読破! 源氏物語』に続く「これで読破!」シリーズの第二弾です。数年前、NHK大河ドラマで、原作と大きく異なる平家物語が放映され、大きな誤解を抱いた若者のため、また、それを機会に読みなおしてみようと思った大人のために完訳シリーズを提供します。
『平家物語』には膨大な原本があります。専門家が分類すると七、八十種類にもなると言われています。もっとまとめても三十種類くらいにはなるそうです。
まずは、琵琶法師が語った語り物の性格を持っている本で、これは十二巻に纏められています。その十二巻の系統も大きく二つに分けられ、はっきり十二巻の物と、十二巻の後に付録の巻、いわゆる灌頂本という建礼門院の物語がついている物です。
ここに提供する物は、「断絶平家」と呼ばれる百二十句本で、十二巻ぴったりで終わる物ですが、灌頂本に含まれる物語も、十二巻の中に入っています。内容は変わりませんが、構成の潔さからこれを選んでいます。これを十句ずつ本分と完訳をつけ、丁寧な解説をしています。
受験生から大人の娯楽まで幅広くお楽しみいただけると自負しております。
強引な福原遷都は半年で終わりました。頼朝の謀叛に清盛は逆上し、南都の焼き打ちが行なわれたのです。
平家巻第五 目録
第四十一句 都遷し
第四十二句 月見
第四十三句 物怪の巻
第四十四句 頼朝謀叛
第四十五句 咸陽宮
第四十六句 文覚
第四十七句 平家東国下向
第四十八句 富士川
第四十九句 五節の沙汰
第五十句 奈良炎上