みんなのオススメ度 0
  • ▼この作品を友達に紹介♪
  • この作品をLINEで送る

 この物語は、平安時代の大勢の貴族たちの目を通して、当時の生活習慣、花鳥風月を楽しむことができる。現代人にも共通の恋愛と結婚、出産、別離、嫉妬などの様々な場面で、人の世の栄華と無常、そして何よりも人の世に生きることの喜びが描かれている。
 お受験のカリスマ・三石由起子が読み解くからこそ、高校の教科書のアンチョコ・虎の巻としても使えてしまう目から鱗の『源氏物語』。帰国子女や理系の出身者にも是非読んでいただきたいと、分かり易く書かれました。与謝野晶子、谷崎潤一郎の解釈は言葉が難しくて萎えます。瀬戸内源氏や円地源氏も、何だか女が湿っぽくて悲しくなる。常識として省かれる和歌の解説も丁寧です。
 さて、五十四帖からなる物語の第三十八帖は「夕霧」である。夕霧は柏木の未亡人となった女二の宮に夢中になった。雲居の雁以外、初めての恋であった。御息所が亡くなると、いよいよお世話をするための準備を整えた。女二の宮本人は、ただ厭わしくお思いであるが、夕霧の恋心は止められなかった。雲居の雁は初めての夫の裏切りに我慢ができない。今までの幸せな生活に馴れきっていて、男の二心が許せなかった。実家である前の太政大臣の邸に帰ってしまう。女二の宮は、兄・柏木の未亡人なのである。兄の未亡人に夫が夢中になっていた。女二の宮は拒んでいるが、世間でも噂は広がって行く。
 いつの時代にも、人の想いはさまざまである。さあ、カオスなエロスの世界にようこそ

投稿日
発売日
ページ数
59
投稿者
ゲスト投稿

この作品の関連書籍

同じカテゴリのおすすめ作品

殿堂入り特集