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 この物語は、平安時代の大勢の貴族たちの目を通して、当時の生活習慣、花鳥風月を楽しむことができる。現代人にも共通の恋愛と結婚、出産、別離、嫉妬などの様々な場面で、人の世の栄華と無常、そして何よりも人の世に生きることの喜びが描かれている。 
 お受験のカリスマ・三石由起子が読み解くからこそ、高校の教科書のアンチョコ・虎の巻としても使えてしまう目から鱗の『源氏物語』。帰国子女や理系の出身者にも是非読んでいただきたいと、分かり易く書かれました。与謝野晶子、谷崎潤一郎の解釈は言葉が難しくて萎えます。瀬戸内源氏や円地源氏も、何だか女が湿っぽくて悲しくなる。常識として省かれる和歌の解説も丁寧です。
 さて、五十四帖からなる物語の第二十一帖は、「少女」である。源氏の息子・夕霧が元服した。源氏はあえて六位の官位に就けるのであった。実力のない人間が親の七光で出世しても役には立たないと配慮したからである。だが、幼馴染みであり、従妹である雲居の雁との恋愛を反対された夕霧は苦しかった。雲居の雁の乳母は「六位風情が」と軽蔑したのである。引き離されて夕霧は苦しくてならなかった。一方、源氏はついに六条の御殿を完成させる。今まで関係のあった女君たちを全て引き取って、自分の庇護下におくためであった。花散里も、明石の上も、同じ邸に住むことになる。
いつの時代にも、人の想いはさまざまである。さあ、カオスなエロスの世界にようこそ。

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発売日
ページ数
44
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ゲスト投稿

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