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 この物語は、平安時代の大勢の貴族たちの目を通して、当時の生活習慣、花鳥風月を楽しむことができる。現代人にも共通の恋愛と結婚、出産、別離、嫉妬などの様々な場面で、人の世の栄華と無常、そして何よりも人の世に生きることの喜びが描かれている。
 お受験のカリスマ・三石由起子が読み解くからこそ、高校の教科書のアンチョコ・虎の巻としても使えてしまう目から鱗の『源氏物語』。与謝野晶子、谷崎潤一郎の解釈は言葉が難しくて萎えます。瀬戸内源氏や円地源氏も、何だか女が湿っぽくて悲しくなる。常識として省かれる和歌の解説も丁寧です。
 さて、五十四帖からなる物語の第四帖「夕顔」は、長い間、源氏の理想の女であった。柔らかくて、自分にも他の男にもすぐに騙されそうな女である。それを自分だけに向けておきたい。頼りなくて、言うなりになり、遠慮がちな危なさが情趣である。持てば崩れる女を大事に保っていたい。しかも、この女はかつての親友の女であり、親友が今も探し続けている女なのである。
 さあ、カオスなエロスの世界にようこそ。

投稿日
発売日
ページ数
42
投稿者
ゲスト投稿

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